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2021年1月 6日 (水)

住んでいるところを誇りに思い、子どもたちに何を残していくのか、協働のまちづくりの根幹を、2006年(平成18年)議会で質問してきているが…

田舎暮らしの本2021年2月号に、小さな市(人口10万未満)総合&若者世代&子育て世代&シニア世代部門・住みたい田舎ランキングの第1位が、豊後高田市だそう。

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平成18(2006年)年9月議会で、当時の会派で、豊後高田市のまちづくり、教育行政を視察研修に行っていて、一般質問をしている。

どういう風に質問していたのか、本会議に会議録を読み返してみたら、
議員になって3年目くらいの時の活動。

河和田アートキャンプについても、認定こども園や学童事業、子育て支援センターなど、牧野市長、理事者とやり取りをさせてもらっている。

振り返りながら、2021年の丑年を愚直に議員活動を進めていきたい、と心新たにできた。

平静18年(2006年)9月議会の木村の一般質問と、市長、理事者の答弁。

9月議会の最後の一般質問になろうかと思いますけれども、いましばらくおつき合いをいただきまして、一般質問に入らせていただきます。
 まず最初に、新しい少子化対策について、3点についてお伺いいたしたいと思います。
 学童保育と放課後児童対策についてでございます。
 長い夏休みも終わりました。この間、鯖江市では、夏休みの期間中、共働き家庭の実情を考慮し、低学年の児童が安全で有意義な夏季休暇が過ごせるように、学童保育が実施されました。昼間、大人が留守の親御さんたちには、安心して働ける、この学童保育・環境づくりを随分と喜んでいただけたのではないかと思います。この事業の委託を受けた、これまでの地域ファミリーサービスクラブ、今年から新しく事業を受託された市連合婦人会には、大変ご苦労なことだったと敬意を表するところでございます。
 これまで、市では、年間を通して民間保育園や児童センター等で学童保育が実施されていて、秋にはもう1カ所増えるということでございますが、現状の学童保育のニーズはどのようなものでしょうか。保護者が働いていて、小学校終了後、児童の生活の場が不安な状況という世帯はどのくらいでしょうか、まずお伺いしたいと思います。
 先日、福井県の合計特殊出生率が1.45から1.47と上昇した統計を分析して、「女性の未婚率の減少と三世代同居の多さ」と県では報道発表しました。私も、以前から同様な考えを持っておりました。おじいちゃん、おばあちゃんと同居されていれば、保育所等での時間延長保育もかなりニーズが低くなるのではないかと考えます。そうなると、延長保育施策の事業経費にかける分をサラリーマンの住居手当みたいに、三世代以上の同居家庭を支える事業を推進する施策を考えてもいいのではないかと思うところでございます。家庭教育支援からも効果があると思われますが、多世代同居についてはどのようなお考えか、お伺いしたいと思います。
 ところで、現在行われている放課後の学童保育は、小学校3年生までの児童が対象で、希望者が学校から大分離れたところにある保育園や児童センターまで移動して、授業終了後の遊び、生活の場をそこで得ているのが現状でしょうか。
 そこで、お尋ねいたします。仕事と家庭の両立支援する考えからも、学校の門を出ることなく、小学校の空き教室や特別室を利用して、放課後の児童対策を充実させることの要望が市民、民生児童委員、保護者の方々から出ております。新しい少子化対策として、登下校時の児童の安全を確保する面からも、今後、学校を利用した放課後対策を考えていくべきだと考えます。
 この際、指導に当たるのは、県に登録されている子育てマイスターの方々や、地域の婦人団体等サポート体制などに委託をお願いするなどで、放課後の時間を子供たちは有意義に、また安全に、働く立場からは安心につながる対策が必要なのではないでしょうか。現状の学童保育と今後の放課後対策についてどのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
 次、認定こども園の見通しについてお伺いいたします。
 3月議会で、10月からスタートになる「認定こども園」についてお尋ねをしたところ、「法案とか県の条例などを十分見きわめまして研究をしてまいりたいというふうに思っております」との答弁でございました。
 鯖江市においては、地域間で利用可能な環境がアンバランスだと、住民や民生児童委員、子育て環境に関心を持たれている方々からご意見や要望が出ております。保育所、保育園、幼稚園等、それぞれの保護者側が利用したい施設は家庭、職場、交通事情の関係もあり、これまで限定されてきていました。昨年から、鯖江幼稚園と王山保育所においては、保育、就業前教育の一体化を実施してきております。この成果も問われるところであります。
 しかしながら、鯖江市においては、保育所があっても幼稚園がない地区、幼稚園があっても保育所がない地区などの現状に加え、近年の少子化の中で、地域の実情や親の幼児教育保育のニーズに適切かつ柔軟に対応することが必要だと思われます。就学前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供を推進するためにも、選択肢を広げるためにも、認定こども園の今後の見通しをお聞きしたいと思います。
 次に、男女の出会いの場支援事業を例とした出会いを推進する各事業のあり方についてお伺いしたいと思います。
 昨日、議長、市長からも、新宮様ご誕生のお祝いのごあいさつがございましたが、「家庭を持つことっていいことだな」と、秋篠宮家のご出産で幸せな気分に、そして国民の多数がお祝いの気持ちに浸ったのではないでしょうか。
 このようなおめでたも、まず男女の出会いからで、若い2人の出会いには、こうしたらこうなるという一定の方式はないものの、社会福祉協議会が未婚男女の結婚相談をサポートする事業を9月から始められたようです。また、市婦人福祉協議会等の結婚促進支援事業なども既に取り組まれております。
 男女の出会いの場支援事業を推進する場合、それぞれの団体や組織において、個人情報保護等のことから難しい問題があるかと思われますが、それぞれの事業をばらばらに行うのではなく、事業の内容交換や連携した取り組みが交流を活発にするのではないでしょうか。
 今回、この出会いを推進するという点から、市が行っている取り組みや行事の中で、若者同士が参加したくなるような内容の見直しを必要としているのではないでしょうか。
 催し物があるたびに、市民全般を対象にしていても、なぜか若者の参加はほとんどないに等しいと思います。このような状態を打破することは、若者側にもいまひとつ問題があるかもしれませんが、開催事業の中で、出会いの場という大げさなものではないところから工夫を凝らしてみてはいかがでしょうか。
 具体的に、年齢はぐっと若いですが、地区の体育会が昨年から中学生の運営参加で、地域に中学生が戻ってきてくれました。俄然、地域行事に活気が出てきています。また、成人式には、近年、NPOが事業受託し、成人を迎えるメンバーで実行委員会を結成して、若者たちにとっても感動的な内容の式典になってきています。
 仕事を終えた青年たちが夜になると集う勤労青少年ホームの若い男女、あるいはNPOセンターに目的を同じくして協働作業をする若者たちと、このほか市が関係する各種事業において、男女共同参画社会を進めるうえからも、熟年者や高齢者以上に関心を持ってもらう努力が必要なのではないでしょうか。日常の生活の中で、地域で若者が参加したくなるような、若者にも参加枠を広げる事業のあり方の検討が、今、問われているのではないでしょうか。お伺いいたします。
 次に、地域振興についてお伺いいたします。
 まず、協働で取り組むまちの活性化について、私は昨年、北信越市議会議長会交流研修会に参加させていただき、オールドタウンでよみがえったアメリカのパサディナ市コロラド大通りを視察してきました。1980年代にまちが古くなり荒廃した地区になっていたところを、市議会で「活性化しよう」と図られ、その結果、ショッピングタウンではなく、オールドタウンをそっくり残して、倉庫などを取り壊さないで、歴史的景観を維持しながら、中心市街地の活性化を両立させる行政手法が成功したパサディナ市でした。そこは、午後9時を過ぎても、大勢の人々でにぎわっていて、まちの活性化は消費中心の観光客ではなく、そこに暮らす地元の人々が家族とともに暮らしを楽しむ、まちをこよなく愛することから始まることを強く印象づけられて帰ってきたものです。
 その後、アメリカの研修会で知り得た大分県豊後高田市のまちの活性化の事例を、帰国後早速、会派・鯖新クラブの4人で視察に行ってきました。
 豊後高田市では、総合計画を東京のコンサルタントに当初1,000万円で依頼したが、大型店舗などの提案などで、中心を活かす計画ではなかったので、自分たちの住む地域の活性化策はコンサルタントには任せられないと判断し、市民みずからが動いて、商店主の若くて元気だった昭和30年代の対面商法で、「昭和のまちづくり」をよみがえらせました。コンサルタントへの1,000万円は、市民や関係者が行政と協働してまちづくり等、イベントを考える土壌づくりへの授業料だったようです。
 ほかにも、長浜のまちづくりでは、新たなものをつくるのではなく、歴史的要素をしっかり検証し、現代の生活をそれらに重ね合わせながら、青少年にもまちづくりの喜びを小さいときから体験できる活躍の場が設定されていて、しっかり将来を見据えた取り組みであることを感じて帰りました。
 これら先進3例とも、住民が住んでいるところを誇りに思い、子供たちに何を残していくか、住民みずからが動き出して協働で取り組むことで、まちの活性化が図れたように思います。
 鯖江市において、中心市街地の活性化策などは、改正まちづくり三法施行をかんがみながら進めることも重要だと思われますが、まちの活性化には、協働で進める、まず行政の役割、仕掛けそのものを主体的に施す行政責任が問われるところではないでしょうか。そして、そこには、市民、活動団体、NPO、企業の区別なく、幅広い人材の住民参加を促す努力が大切になってくると思います。
 今日、明日に結果が出る地域振興ではありませんが、先進事例のまちづくりのように、協働で取り組むまちの活性化についてどのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
 次、ものづくりのまち「アートキャンプ」について、お伺いいたします。
 平成16年の福井豪雨で、全国各地から入ってみえた1万人のボランティアの方々、その方々のおかげもあり、河和田地区において、ようやく復興してきているのでしょうか、いろいろお世話になりました方々に改めて厚く御礼申し上げたいと思います。
 当時、子供たちに笑顔が戻れば、周囲の大人たちも元気になれると、地元のNPOが中心になり取り組んだ「学校で縁日」から京都の学生たちとの交流が始まり、今年は2回目のアートキャンプを1カ月以上、総勢110人が古民家に泊まりこんで、ものづくりを行ってきました。NHK福井にも取り上げられましたし、新聞各紙等もにぎわせましたが、アートキャンプの概要を少しばかり説明させていただき、質問に入らせていただきます。
 まちの中には、京都や福井の学生たちの歩いて回る姿があり、住民や漆器職人らとの会話を楽しみながら創作イメージを膨らませていました。漆を使った芸術作品の製作や新しいバス停など、地元の伝統工芸や、さらには豊かな自然を題材に、猛暑や蚊、茶毒蛾と格闘しながら作品をつくり上げました。福井豪雨をきっかけに始まったアートキャンプは、異常気象の環境を考えるコンセプトのもと、基本的に廃材や資源ごみ・漆器や木材・和紙などで、循環するもので組み立てられております。
 「京都も伝統工芸はあるけれど、学生を受け入れてくれるような雰囲気ではない」と、学生たちは「ものづくりのまち・河和田」でアートキャンプを心から楽しんでいたようです。また、福井大学で建築工学を専攻している学生たちにとって、「学校で図面を引いているだけではない、実際にものをつくり、講義で学んだ知識や自分のイメージとギャップを埋める貴重なチャンス」と話してくれました。こうして完成したコミセン横に人々が座って待つバス停が、今に名所になるのではないでしょうか。学生たち自身で企画を練り上げ、地元の関係者とプレゼンを繰り返し、学生同士の共同の作業で完成させる、さらに子供たちの参加も考えた「ワークショップ」など、ものづくりのまちに外部からの仕掛けで活気づきました。
 今回は、小篠ゆまゼミチームの和紙を使ったファッションショーもあり、粗削りでも、コンサルタントでお金を出しても買えない、素直で透明さのあるアートキャンプは、新たな可能性への発展を秘めていると思わざるを得ません。
 ちなみに、9月2日には、京都からの客をバスツアーと称して満喫ツアーを企画、昨年同様実施し、まき絵体験や学生の創作物を見て回るスタンプラリーを楽しまれました。初めて訪れられた河和田に、京都からのお客は非常に感動され、驚かれていました。
 このように、河和田に入ってきた学生たちが地元の人たちとフレンドリーな関係、今後もアートキャンプを続けていくと同時に、個性豊かな現在組合の漆器ウイークリーも開催されていますが、漆器やめがねなど、ものづくりのまち河和田・鯖江から、日本中に新しいアートの風を発信する基地にしていくことではないでしょうか。
 お隣、金沢の「しょうゆのまち蔵アート」や、由布院らしさから生まれている由布院音楽祭や映画祭のように、先駆的な、ある意味では実験的な地域振興のあり方を、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
 次、市、大学と芸術・教育交流協定で連携した「まちづくり」はいかがでしょう。
 1年の12分の1、約1カ月以上、100人を超える学生たちの想像力・発想力を現実の社会の中で、鯖江市の中で実践することができる、またいろいろな分野の学生の参加により、さまざまな知識や技術、考え方のコラボレーションによって、アートキャンプを率いてきた京都の学生チームや福井大学チーム、いずれ卒業して、全国に散らばっていく彼らの魅力は、アートキャンプだけにはとまらないのではないでしょうか。
 今年度、市では、産官学連携による新素材の開発、販路拡大等の支援を打ち出されました。それならば、「河和田はいいところです。来年も来ますよ」という学生たちの発想をまちづくりに活かす取り組みを平成16年度当初からかかわられ、今回、60人以上の学生が参加した京都精華大学、今年度から連携して取り組みを行った「環境ビジネス」「環境マネジメント」「環境建築」の三つの研究所で構成されている環境ソリューション研究機構と、大学側にも研究テーマになるような視点で、「大学と芸術・教育交流協定」を交わしてみてはいかがでしょう。学生という全国から集まってきている若いエネルギー、新しい視点で、鯖江市の地域振興を考えてみてはいかがでしょうか。
 もちろん、「来年はもちろん、ふだんでもちょこちょこやってきたい」と語る、福井大学の学生との協定も検討してみる価値があるのではないでしょうか。
 小浜市では、先般、京都橘大学と学術・教育交流協定を交わされたようであります。市長の考えをお伺いしたいと思います。
 最後に、人事評価制度について、職員・公務員のモラルと評価のあり方について、お尋ねしたいと思います。
 人材育成基本方針が今回示され、市民からすれば、公務員としてモラルは基本方針以前の問題であり、市職員は効率的な行政運営を行うために、資質・能力の向上は不可欠です。ところが、目標達成とマネジメント体質強化のために、人が人を評価することは大変ではありませんか。
 「市民から信頼される職員を目指す」をスローガンに、目標管理制度を徹底させると、目標管理のための数字が先行する場合もあり、本来の趣旨から離れてしまったり、評価する基準があいまいになることはありませんか。この点をお伺いしたいと思います。
 また、女性職員の任用は、この基本方針の中で、女性だからという配慮ではなく、同じように能力を十分発揮できる評価システムになっているのでしょうか、お伺いしたいと思います。
 制度云々の前に、職員も市民の1人であり、地域の問題を同じ市民の1人として把握し、職員一人一人が夢や希望を持ち、ビジョンを掲げながら、働きやすい職場で仕事をしていくことで、市民のニーズにこたえられるのではないでしょうか、お伺いしたいと思います。
 このことは、議員においても同じことで、自分にも言い聞かせていることでありますが、以上、質問を終わります。答弁をお願いしたいと思います。

○副議長(山崎文男君) 市長、牧野百男君。
              〇市長(牧野百男君)登壇

◎市長(牧野百男君) 木村議員のご質問にお答えをいたします。
 最初に、地域振興に係る協働で取り組むまちの活性化についてのお尋ねでございますが、まちの活性化には、住民や企業、NPO団体がみずから住んでいるまちの課題に気づき、そして考え、動くことが不可欠でありまして、行政としては、そのような市民運動が市内のあちらこちらで活発になってきて、市民本位、あるいは地域本位の真の住民自治へつながるように、側面的に支援をすることが大変重要だと考えております。
 また、市民と行政が一体となって協働によるまちづくりを進めるためには、職員みずからが地域へ飛び込みまして、市民の皆様と同じ体験を分かち合う中で、情報、あるいは価値観を共有いたしまして、地域の皆様と職員が腹を割って話し合えるような環境づくりが大切であるというふうに考えております。
 そういったことで、今年度から、市民提案による参加と協働のまちづくり事業も始めておりまして、「わがまち創造事業」、あるいは「まちづくり基金事業」といった取り組みも実践して、幅広い層の市民、あるいは団体の皆様にまちづくりに参加をしていただくようにしております。「自分たちのまちは自分たちでつくる」という意識改革につなげるように持っていきたいなと思っております。
 また、昨年度から実施をしております市の職員の「まちづくりモニター」「まちづくりサポーター」制度、あるいはまた公民館運営協議会の市職員の参加は、昨日も申し上げましたが、職員が一番市民に近いわけでございますので、地域の皆様の生の声をお聞きいたしまして、対話と納得によるまちづくりの一助としようとするものであります。このことは、地域の皆様にも、少しずつではございますが、ご理解もいただきまして、浸透していることを私も実感しておりますので、非常に喜んでいるところでございます。
 今後とも、引き続き職員の地域参加を促しまして、きめ細かい対応をさせていただきながら、市民と行政が一体となった参加と協働のまちづくりに一生懸命努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、アートキャンプについてのお尋ねでございますが、議員おっしゃるとおりでございまして、昨年に引き続き、今年も元気で京都精華大学を学生さんを中心に、福井大学の地元の学生さん、合わせて総勢110名の皆さんがおいでいただきました。
 今年は、特におっしゃいましたように、コミュニティバスに着目したバス停の創作とか、バスの中での装飾、また家族のワークショップもやっていただきまして、子供たち、あるいは地域の方たちとの交流も進んだわけでございます。8月1日から9月3日というような、大変長期間にわたるキャンプを張っていただきましたので、この期間中、マスコミの取材も大変多ございまして、越前漆器の産地「河和田」の魅力を、話題性とともに大きく情報発信していただいたところでございます。
 この間、北中山地区、あるいは鯖江の商店街などのお祭りにも、地区の方が学生さんたちをご招待していただきまして、地域の祭り、あるいはイベントにも参加して、河和田以外の鯖江のまちも知っていただくことができました。そういった中で、市民の人情、あるいはそういった地域の風土にもたくさん触れていただくことができまして、本当に学生たちを支えていただきました地域の皆様、そしてボランティアの方々に改めて厚くお礼を申し上げるところでございます。
 学生さんたちは、学生さん同士でネットワークをいろいろとそれぞれ見聞し合いまして、自主的に自覚を持って参加されているというふうにお聞きをしております。今回、2年続けての参加者も多ございましたし、新しい方も、すべての方が「来年、また来ます」と言って帰られましたが、この輪がさらに広がることを期待しておりまして、来年も再来年も、そして5年、10年と、こういったことが継続発展していくことを願っているところでございます。
 こうしたことが全国各地から集まっております学生さんたちの口コミで、河和田、あるいは鯖江市の人情・風土というものが全国に知れ渡って、今回も学生さんたちの親御さんたちはかなりの方がお見えになっておりましたが、こういうようなこと、あるいは学生たちがまた成長して、河和田にも定住していただければ一番ありがたいのですが、そういうことも期待できると思いますし、また家族を連れて、河和田だけではなく、鯖江を何度も訪れるというような、こういったことにつながってくれれば非常にありがたいなと思っているわけでございます。
 今後とも、河和田アートキャンプ事業の継続に向けて、今回も地元の皆さんの大変お力添えをいただきまして、非常にご迷惑もおかけしたわけでございますが、引き続きご指導・ご協力をお願い申し上げたいところでございます。
 次に、市と大学が芸術・教育交流協定で連携したまちづくりについてのお尋ねでございます。これは、私どもも今、非常に進めているところでございますが、昨年5月に福井工業高等専門学校と鯖江商工会議所ならびに市の第三者における地域連携協定を締結したのは、もうご存じのとおりでございますが、今、国立大学法人であります福井大学との地域連携による地域社会経済の活性化事業にも今取り組みたいと思っておりまして、全庁的な取り組みになるような対象事業の検討を、今、始めております。福井大学や福井工専などの学術機関は、地域のNPO、地域コミュニティ、民間企業等とともに、本市にとりましては大変貴重な地域資源であると認識しておりますので、地域社会、経済の活性化に向けて、その人的・知的資源を有効に活用していけたらというふうに考えております。
 この連携協定に当たってですが、大学と市双方に成果が見込めること、継続的な発展が見込めること、こういった視点を踏まえてテーマを設定いたしまして事業計画を立てるということが非常に重要でございますので、先生とか、あるいは学生の自発的な参加意識と自由な発想による地域や業界の皆さんと協働するような、今回のアートキャンプ、こういったような事業では、今、市がすぐ協定を結ぶということにつきましては、若干考えていかなければならないのかなというふうに今思っているわけでございますが、今、学生さんたちのお話を聞きますと、「自由な発想によって、地域や業界の皆さんと協働してまちづくりをしたい」というふうな、こういった考え方もございますので、連携協定を結んで、そういった枠にはまったような活動の中、いわゆる制約を受けた成果発表が期待されるというようなことになりますと、若干、学生さんに負担をかけるようなことにもなってまいりますので、それが原因で継続できないということになったら、また大変だと思いますので、十分、大学側とも協議をさせていただきまして、今後、そういう連携協定につきましても、対象事業があるかどうか十分研究、検討をして、市にも大学にもメリットがあるような、そういった事業の締結を目指していきたいと考えております。
 そのほかにつきましては、関係部長からお答えを申し上げます。

○副議長(山崎文男君) 福祉環境部長、三田村 勉君。

◎福祉環境部長(三田村勉君) 新しい少子化対策についてのお答えを申し上げます。
 初めに、学童保育と放課後児童対策についてのお尋ねでございますけれども、学童保育を必要といたします世帯につきましては、平成16年度に策定をいたしました「鯖江市次世代育成支援行動計画」、いわゆる「未来へつなぐつつじっこ子育てプラン」でございますけれども、その策定のための基礎資料のニーズ調査の結果では、小学校児童の保護者で核家族及びひとり親家庭世帯が45.9%となっておりまして、この割合が学童保育の潜在的な対象世帯と考えられております。
 次に、延長保育に係る経費で、三世代以上の同居家族を支える施策ができないかというお尋ねでございますけれども、平成17年度は、延長保育を延べ2万1,221人の園児が利用いたしております。その利用の理由でございますけれども、午後6時までに園児の迎えに行けないという保護者が多数でございまして、三世代以上の同居でも、近年、祖父母の就労年齢が高くなってきております。また、保護者の生活形態、または住宅事情もさまざまなことを考えますと、現在の延長保育事業は継続して行う必要がございます。
 ただ、議員申されました三世代以上の同居による子供の成育上の利点は十分に考えられますので、保育事業の中で、高齢者などとの触れ合える機会を充実することによりまして、三世代以上の同居の促進に寄与するものと考えております。
 なお、放課後児童クラブの現状でございますけれども、現在、市内の民間保育園、または児童センターなど27カ所で開設いたしておりまして、473名の児童が利用いたしております。
 以上でございます。

○副議長(山崎文男君) 教育事務部長、山川光雄君。

◎教育委員会事務部長(山川光雄君) それでは、小学校などを活用いたしました子供たちの放課後の対策について、お答えをいたします。
 今、国では、ご存じのとおり、「放課後児童クラブ」といった事業と「放課後子供教室推進事業」といったものの一体的で連携した事業として、新たに「放課後子供プラン」といった事業を今模索をいたしております。
 この制度は、ご案内のとおり、小学校などの余裕教室などを活用いたしまして、原則、すべての小学校区におきまして、放課後の子供たちの安全で健やかな活動場所といった、こういったものを確保してまいりまして、総合的な放課後の子供たちの児童対策に資するものでございます。今後、市といたしましても、国の推進のための方針、こういったものを十分見きわめながら、本市においても制度化に前向きに対応してまいりたいと考えております。
 次に、本市におきます「認定こども園」といったものの取り組みについて、お答えをいたします。
 昨日も、丹尾議員のご質問にお答えしましたとおりでございまして、こういったものの子供のそういった擁護のお互いにふぐあいな点を補完し合う制度として、今、法体制のもとでの「認定こども園」といったものは大変重要であると考えておりまして、この制度は、幼稚園・保育所におきます就学前の子供たち、こういった子供たちに教育と保育を合わせまして、保護者に対する子育ての支援といったものを行おうとする事業でございます。
 したがいまして、本市といたしましては、今後、県条例、または実施のための認定指針といったものを十分見きわめまして、来月中には庁内で「認定こども園」の研究のための検討委員会を組織いたします。そして、来年度中には、調査のため研究を行いました方向性を、その中でまとめてまいりたいと思っております。その結果を受けまして、関係者と十分な協議のうえ、導入に向けた対応をしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、地域の若者が、いわゆる集い、参加するような事業の実施をしてはというご提案でございますけれども、これにつきましては、本市では、新たに今年度から地区青年交流事業といった事業を新たに展開をしているのが現状でございます。
 この事業のねらいといたしましては、三つほどございます。一つには、地区の活性化、二つとして、まちづくり・地域づくりといったものを資するであろうということ、また三つ目には、若者が地域に定着するのではないかという期待でございます。また、このほか二次的なものとしまして、男女の出会いの機会を期待できるといった効果もあると思います。本年度は、事業の初年度でございまして、まず若者が公民館に集まっていただくということにまず重点を置いて、今、事業を進めているのが現状でございます。
 幾つかこれまでの例を挙げますと、地区の地区体育会に17名、これは鯖江地区の地区の体育会、こういうようなものに若者のアトラクションといったもので参加をいただきました。片上地区では、地域の「知恵の盆」、「かたかみ春たんぼ」の参加、それから河和田では、「うるしの里まつり」または「やんしき踊りの夕べ」といったものに参画をいただいております。
 今後とも、こういった今までの制度の充実とあわせまして、公民館を中心に若者同士がお互いに集い、触れ合うことのできるような事業に積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。

○副議長(山崎文男君) 総務部長、笠嶋宗雄君。

◎総務部長(笠嶋宗雄君) 最後に、人事評価制度等についてのご質問にお答えをいたします。
 質の高い行政サービスを効率的に提供していくためには、行政体制の構築が必要であると考えておりまして、このため、今回、人材育成基本方針を改定をいたしました。職員一人一人がそれぞれの職場におきまして、これまで以上に自己の能力を伸ばし、それを存分に発揮することができるようにするため、総合的・長期的な観点から人材育成に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 特に、今回、新たに導入いたします人事評価制度につきましては、林議員の昨日の御質問にもお答えをいたしておりますが、目標管理制度を本格的に導入いたすとともに、新たに地域貢献における個人目標を設定、管理することによりまして、議員ご指摘の、職員みずからが地域の一員であるという自覚、それと社会貢献・地域貢献を念頭に、市民に頼られる職員を目指してまいりたいというふうに考えております。
 また、今回のこの人事評価制度では、業績と能力、それから態度をそれぞれ職責に応じた責任の度合いによって、多段階で評価を行うことにしております。これにより、評価結果の信頼度を向上させていきたいということと、それと評価補助者の設置、それから職員面談、それから勤務状況等、観察・記録の充実も図ることにしておりまして、客観的で公正性・透明性が高い実効性のある人材育成のツールとして、この制度を実施してまいりたいというふうに考えております。
 次に、女性職員の登用についてでございますが、今回の人材育成基本方針では、特に女性職員の意見や能力をより一層政策形成に生かしていきたいということで、職域や業務の拡大、それから研修への参加機会の確保、それらで能力開発を支援していきたいというふうに考えておりますし、また女性が働きやすい職場環境の整備も図ってまいりたいというふうに考えております。
 また、管理監督者への意識改革を図るための研修、教育訓練、これらの機会も女性職員に提供していくことによりまして、政策や意思を決定するポジションへの積極的な登用にも努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○副議長(山崎文男君) 1番 木村愛子君。

◆1番(木村愛子君) 「認定こども園」のところで、来月中には検討会を立ち上げるというような方向性を今お示しいただいたところですけれども、特にやっぱり鯖江というところは、地場産業が盛んなところですし、また家庭内産業というか、保育所に預けたくても、主婦労働としての家庭内産業で、なかなか保育所認可の通知をもらえないというのですか、保育所は就労証明がないと保育所には預けられないところがありますので、家にいても仕事をしているから保育所に預けたいというような、そういう地域性のある鯖江ですので、速やかな対応が望まれると思います。
 何分にも、やはり今、各10地区には保育所があったり、幼稚園があったりと、バランスが悪うございますから、やっぱり保育所しかないところでは、幼稚園を望まれる親御さんもいらっしゃいますし、またそういう児童関係者の方もいらっしゃいますので、そこらあたり、やっぱり鯖江市としての速やかな、国の方針、それから県の条例等、おっしゃいますけれども、やはり一番鯖江らしい、鯖江としてのどういう対応が必要かなというところで、少々見切り発車でも対応していっていただかないと、子供たちの年齢、先ほどの同居していない当該者が、16年度の策定のときのデータだけどということで、45.9%だという数字もいただいておりますので、ぜひとも早い対応が望まれるのではないかなと思うところでございます。
 それにあわせまして、西山のところで中河から子育て支援センターが動いてきまして、この子育て支援センターの機能充実を平成16年の12月に議会で要望し、提案したところでございますけれども、1年ちょっとで、今年の4月からオープンしていただいて、利用者の方に非常に喜んでいただくというような早い対応をしていただきましたおかげで、市としてはこれほどまでの利用者は予想していなかったというような言葉もありますので、やはり市民、特に女性等は声を上げにくい、小さな声、市民の声を十分に拾っていただきますという努力をやっぱりしていただきたいなと思っております。
 政策は、中長期的な観点からの政策も大事ですけれども、こと学童保育とか放課後支援とか「認定こども園」等、少子化対策は、昨日のどこかの県内の市議会で、子育て支援の推進室が設置されるというような記事も読みましたけれども、鯖江市におきましても、少子化対策とか子育て支援は特に短期的で実効性のある速やかな対応が求められると思いますので、ぜひともここらあたりは強く要望して、質問を終えたいと思います。

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