« 子どもらのクリエティブな感性が活かされる場の必要性 | メイン | 鯖江市9月議会始まる »

2021年8月20日 (金)

新型コロナ感染症、正しい情報を、価値観のベースに

SNSが発達し、功罪併せ持つ現代社会。元々アナログ人間故、いやカタカナ語、ITが苦手な自分、議員だから議員の仕事としてITは活用すべきと薦められた。

ある新聞記者さんには、FBぐらいやらなければとも言われ、恐る恐る始めた経緯がある。

今、FBで友達の高野洋一先生からの今日のFB情報、先生の情報の発信の元、
大阪大学の宮坂昌之先生のFB上でのコメント(資料)です。↓参考までに。



現在、新型コロナの重症化抑制にもっとも高い効果を示すのが抗体カクテル療法です(効果としては、アビガンやイベルメクチンの比ではありません)。ところが、ウイルスのスパイクタンパク質に変異が起きると、抗体の反応性が下がる傾向があります。このことから、通常、2種類の抗体をカクテルの形で投与します。2種類の異なる抗体を使えば、必ずどちらかの抗体が効果を示すであろうという考えのもとです。

 変異が起きると抗体の反応性が下がるのは、抗体のスパイクタンパク質への結合力が下がるからですが、そうであれば、感染に重要でありながら変異をしにくい領域に対して抗体を作ることにより、ウイルスの変異の有無に関わらず感染中和が可能になるはずです。つまり理論的には、どのような変異株でも中和できるスーパー抗体というものが作れるはずです。

 今週号の免疫学専門誌のImmunityに、マウスで実験的に作った抗スパイクタンパク質モノクローナル抗体にその性質があることが報告されています(一枚目の写真)。それを図(二枚目の写真)で説明します。

 まず、図の一番上のカラムにあるように、SARS2-38モノクローナル抗体は調べられたすべての変異株に対して、試験管内で濃度依存的に感染中和をすることができました。

 真ん中のカラムにあるように、この抗体はスパイクタンパク質の保存性の高い領域(変異が起こりにくい領域)に結合することにより感染中和をすることがわかりました。その領域の近傍には変異をしやすいアミノ酸残基があり、そこを認識する抗体は変異とともに中和活性を失います。

 最後に一番下のカラムです。新型コロナウイルスを実験的にマウスあるいはハムスターに感染させる際にこのSARS2-38抗体を投与すると、どの変異株による感染も阻害することがわかりました。

 つまり、この抗体はどのような変異株でも中和できることが実験的に示されました。これはまだマウスで作った抗体ですが、遺伝子工学的にこの抗体を「ヒト化」すれば、抗体カクテルに含めることによって今までよりもさらに高い治療効果を持つ本当のスーパー抗体が生み出される可能性があります。

 免疫学は日進月歩の世界です。それを良く理解しないまま、ワクチンは毒だとか、筋肉注射のワクチンは効かないとか、抗体を作ったらかえって変異株が出来るようになるなど、馬鹿なことは言わないでください。免疫学を理解すれば、ワクチンや人工抗体には高い効果があり、しかも、しかるべき領域を狙った抗体を作ることができれば高い治療効果を持つことを理解していただけるはずです。是非、反ワクチンの方々にはこのようなことをお勉強して欲しいものです。

239103917_4106270462829712_35882925

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.mitelog.jp/t/trackback/304673/34236184

新型コロナ感染症、正しい情報を、価値観のベースにを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

Powered by Six Apart