8月11日「山の日」! 鯖江市森林・里山保全条例に思いを
ずいぶん前に、大野市の議員さんから鯖江市の山も気になると指摘されて、第381回(23/3/8)本会議で山についての提案・質問をさせていただいた。
そのときの原文の一部を
山そのものが多面的な機能を持っておりますし、公益的な観点からも、やはり行政もしっかりとビジョンを立てながら動いていただきたいところでありますけれども、最近、日本の山林が外資に買われているとの報道がとみにあります。
3年ほど前、私は、大野の市議会議員の方から、山を外資系、中国資本が買いに来ているんだ、そんなことになったら大変なことになるというふうな相談を持ちかけられたことがありました。
山林買収の話がクローズアップされておりますけれども、鯖江市くらいの山では問題にならないことと思われがちですが、土地所有者の所在すら把握できない、 また、山の手入れをする人もいなくなって荒れ放題になり、既にそういう状況のところもありますけれども、採算ベースで考えたとき、さまざまな価値感を持っ た投資家が、所有者と住民の弱みに付け込んで、法外な価格で買いに来たりするというような売買契約が起きることも考えられます。
私といたしましては、山林面積が少ない鯖江市ではありますけれども、土地情報の現状把握とともに、特に56豪雪、福井豪雨後、放置されたままの山林を、個人の所有物だからというところではなく、やはり公益的な観点から…外資系のねらいは水資源であるとも言われておりますし、森はやっぱり私達の命の源ではないのかなと思われるところです。そういった生態系の維持のためにも、何らかの対策を始めておくほうがよいのではないでしょうか。このことについても、御所見をお伺いしたいと思います。
との議会活動で、次年度、最後の3月議会で条例が提案され、可決した鯖江市森林・里山保全条例、「山の日」に思いも新たにの8月11日です。
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鯖江市条例第6号
鯖江市森林・里山保全条例
(目的)
第1条 この条例は、森林・里山地域の保全に関し、市、市民、土地所有者等および施設設置者の責務を明らかにするとともに、土地の所有権等の移転および森林内での工作物等の設置について必要な事項を定め、施策として推進することにより森林・里山地域における水源涵養機能および土砂災害防止機能などの多面的機能(以下「森林・里山が持つ多面的機能」という。)の保持に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
⑴ 所有権等 所有権または地上権、賃借権その他の使用および収益を目的とする権利
⑵ 土地所有者等 森林・里山地域に所在する土地の所有権等を有する者
⑶ 施設設置者 工作物等を設置しようとする者
⑷ 工作物等 森林・里山が持つ多面的機能に対して、影響を及ぼす恐れのある規則で定める事業に関わる施設および設備
(森林・里山地域の指定)
第3条 鯖江市全域の登記地目(不動産登記法(平成16年法律第123号)の規定に基づき登記された地目をいう。)または現況地目(地方税法(昭和25年法律第226号)第388条第1項に規定する固定資産評価基準に基づき認定された地目をいう。)が山林または保安林である地域を、森林・里山地域として指定する。
(市の責務)
第4条 市は、市民、土地所有者等および施設設置者と連携し、森林・里山が持つ多面的機能の保持を達成するため、この施策の推進に努める責務を有する。
(市民の責務)
第5条 市民は、森林・里山が持つ多面的機能の保持に対する理解を深め、市が行う施策に対し協力する責務を有する。
(土地所有者等および施設設置者の責務)
第6条 土地所有者等および施設設置者は、森林・里山が持つ多面的機能の重要性を深く認識し、市が行う施策に対し協力する責務を有する。
(国および県との連携)
第7条 市は、国および県と連携協力して、施策の推進に必要があると認めるときは、国および県に対して必要な措置を講じるよう要請するものとする。
(土地の所有権等の移転等の届出)
第8条 土地所有者等は、当該土地の所有権等の移転または設定を行う契約(1件当たりの面積が1,000平方メートル以上のものであって規則で定めるものに限る。以下「土地売買等の契約」という。)を締結しようとするときは、当該契約を締結しようとする日の30日前までに、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。ただし、当該届出をする土地所有者等が、規則で定める者に該当するときは、この限りでない。
⑴ 土地売買等の契約の当事者の氏名および住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名および主たる事務所の所在地)
⑵ 土地売買等の契約に係る土地の所在および面積
⑶ 土地売買等の契約に係る土地の所有権等の種別および内容
⑷ 土地売買等の契約に係る土地の所有権等の移転または設定の後における土地の利用目的
⑸ 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 土地所有者等は、前項の規定により届け出た同項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(工作物等設置の届出)
第9条 施設設置者は、工作物等を設置しようとする日の30日前までに、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を必要な書類を添付して市長に届け出、かつ、その内容について市長と協議しなければならない。ただし、当該届出をする施設設置者が、規則で定める者に該当するときは、この限りでない。
⑴ 工作物等を設置しようとする当事者の氏名および住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名および主たる事務所の所在地)
⑵ 工作物等を設置しようとする年月日
⑶ 工作物等を設置しようとする土地の所在および面積
⑷ 工作物等に係る事業計画および事業内容
⑸工作物等の設置に係る土地所有者等の氏名および住所
2 施設設置者は、設置にかかる事業内容ならびに森林・里山が持つ多面的機能への影響およびその防止策について、関係する市民等に対し説明会を開催するよう努めなければならない。
3 施設設置者は、第1項の規定により届け出た同項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(報告の徴収および立入調査)
第10条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、第8条または前条の規定による届出をした者に対し、必要な書類の閲覧、資料の提供または報告を求めることができる。
2 市長は、この条例の施行に必要な限度において、職員に立入調査(第8条または前条の規定による届出に係る土地または対象工作物等に立ち入りさせ、当該行為が森林・里山が持つ多面的機能に及ぼす影響を調査し、または関係者に質問することをいう。以下この条において同じ。)をさせることができる。
3 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(助言)
第11条 市長は、第8条または第9条の規定による届出があったときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る当該行為について、森林・里山が持つ多面的機能の保持を図るために必要な助言を行うものとする。
2 第8条の規定による届出をした者は、前項の助言を受けたときは、当該届出に係る土地の所有権等の移転または設定を受けようとする者に当該助言の内容を伝達するものとする。
(勧告)
第12条 市長は、土地所有者等および施設設置者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者に対し、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
⑴ 第8条の規定による届出をせず、または虚偽の届出をしたとき。
⑵ 第9条第1項または第3項の規定による届出をせず、または虚偽の届出をしたとき。
⑶ 第10条第1項の規定による報告をせず、または虚偽の報告をしたとき。
⑷ 第10条第2項の規定による立入調査を拒み、妨げ、もしくは忌避し、または質問に対して答弁をせず、もしくは虚偽の答弁をしたとき。
(公表)
第13条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者が、当該勧告に従わなかったときは、当該勧告の内容およびその氏名等を公表することができる。
2 市長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ、当該勧告を受けた者に意見を述べる機会を与えなければならない。
(委任)
第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
(適用区分)
2 第8条および第9条の規定は、平成25年10月1日以後において行う土地売買等の契約および工作物等の設置について適用する。
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